#91 The First Tree「ことばがひつよう」編【ゲームで勉強したいんです。】

生と死について考える?アドベンチャーゲームです。

 どうもこんにちは! また雰囲気に惹かれてゲームを買ってしまった咲村です。今回は「The First Tree」を紹介します。咲村はPS4版をプレイしましたが、Switch版、PC版、スマホ版と様々な媒体で遊ぶことができます。見た目が好みっぽかったのと、安かったので(笑)、どんなゲームなのかは特に確認せずに買いました。(前回とまったく同じ文章なのは気のせいではありません)

さきむら
正直、紹介しようかすごく迷いました…
 基本的には紹介前提でプレイするわけですが、あまりにも、こうちょっと…微妙で?(笑) 特に、タイトルで検索していただければよくわかるのですが、世界的には非常に評価が高い作品だけに、宇宙人目線であれこれ言っていいものか、迷うところがあったのです。ただ、ゲー勉のテーマは「ゲームの面白いところを考える(=勉強する)」ことなので、それに沿ってゲームとして見た場合どうなのか、という点については語ってもいいのかな、と考えなおしました。

ストーリーのオチなどのネタバレはありませんが、スクリーンショット自体にネタバレ要素が含まれる場合もありますのでご注意ください。

一見するとキツネのウォーキングシミュレーターだけど…

 では早速タイトル画面から見ていきましょう。

タイトル画面

シンプルだけど美しい…!

 咲村の好みを熟知している人なら、このタイトル画面を見ただけで「こいつ買うだろうな」ってわかると思います(笑)。それくらいとても雰囲気がいいゲームです。そう、これは最初に言っておきますが、「グラフィック」と「音楽」は文句なく素晴らしいので、雰囲気だけを求めるなら充分に買いなソフトだと思います。
設定

設定はこんな感じ。解説モード???

 そしてこれも大事なお知らせですが、このゲーム、音声はすべて英語です。ローカライズされているのは字幕だけ。なのに、デフォルトでは字幕がONになっていません。
さきむら
え、酷くない?
 以前にも、言語がデフォルトで英語になっているゲームがありましたが、その場合はメニュー画面自体が英語だったのでまだ気づきやすかったです。ところがこのゲームの場合、メニュー画面はしっかりと日本語なんですよね(笑)。そこを直したならデフォルトで字幕ONにしといてよ!と思ってしまいます…。

 あと気になるのが「解説モード」。一見して内容がわかりません。なのに一番上にある違和感(笑)。なんか怪しいなと思ってONにせずに始めたのですが、正解でした。クリア後に調べたところ、ヒント機能+要所要所で製作者の解説を聞くことができるようです。以前に紹介した「Grim Fandango」にも解説を聞ける機能があったような気がするので、海外ではよくあるのかな。ただ、この解説音声も全部英語なうえ字幕はないらしい? でも一番上にあると深く考えずにONにする人もいそうなので、この手のものはクリア後に表示する(あるいは選択できる)ようにしたほうがいいのでは…と思いました。

 のっけからモヤっとしてしまったところで、ちょっと和みましょう(笑)。

ロード画面

こういう凝ったロード画面は好き

 さて、ゲームを開始するとストーリーの説明などはなく、すぐにキツネさんが登場します。
冒頭

いったん暗くなり

冒頭

日が昇って

冒頭

キツネが隠れてる

 キツネを操作できるようになると、操作方法が表示されるとともに、カップルの会話が聞こえてきます。
冒頭

スクショだとよけいに見づらいですが

冒頭

画面の下部に字幕が出ています

 読ませる気あるの?というくらい文字が小さいうえ、1行の文字数が多くて非常に読みづらいんですよね…。
冒頭

行間も狭いので、複数行表示になるとより読みづらくなります…

 この会話の内容から、彼氏(ジョセフ)が雪山でなにかを探しまわっているキツネの夢を見たこと、それを彼女(レイチェル)に話して聞かせていることがわかります。つまりプレイヤーは、ジョセフの夢の中のキツネを操作するわけですね。ちょっと特殊な形態です。

 ちなみに会話中も自由に動けるのですが、初っぱなからどこへ行けばいいかわからず、うろうろする羽目になります(笑)。このゲーム、向かう場所への導線が哀しいくらいに存在しないのです。

冒頭

行けそうで行けない

冒頭

早くも(ま)酔いはじめる(笑)

 クリア後に振り返ってみると、それって人生を表現していて、「迷いながら進んでいろんな発見をしていくのが人生だよ」的なことを言いたいのかとも思ったのですが、それをやるにはゲーム内容との食い合わせがあまりにも悪すぎるんですよね…。詳しくは後述しますが。
冒頭

必要な場面ではチュートリアルが出ます

 このキツネ、基本的にはジャンプしかできません。なので、謎解きらしい謎解きは出てこず、広いエリア内を動きまわってひたすら「光」を探す感じです。「光」には2種類あって、ひとつはストーリーを理解するために非常に重要なポイント。
光

ちょっとだけ柱っぽくなっていて、ある程度近づくと見える

 この場所にはジョセフの思い出の品が埋められていて、それを掘り起こすことによって新たな会話を聞くことができます。プレイヤーはその会話を聞くことで、ジョセフになにがあったのかを知っていく……というゲーム内容です。

 もうひとつの「光」については、やりこみ要素と言っていいと思います。別に取らなくてもクリアはできますが、取っておくと最後にいいことがあるかもしれません。

光

小さい光の玉? 取得すると左下にカウントが出る

肝心のストーリーが理解しづらい問題

 このゲームは非常にシンプルなので、これでほぼ説明をしおえました(笑)。そのうえで、咲村が感じた問題点について語っていきたいと思います。

 まず大前提として、このゲームが評価されているポイントは「ストーリー」「グラフィック」「音楽」です。特にストーリーについては絶賛する人も多く、なかには「ラストで号泣した」なんて感想も見かけました。では、自他とも認める涙腺の弱さを誇る咲村のクリア後はどうだったかというと…

さきむら
( ゚д゚)ポカーン
 まさにこんな感じでした(笑)。正直に言います。ストーリーがよくわかりませんでした!!

 理由はハッキリしています。先述のとおり、ゲーム中に導線がなさすぎるからです。おかげで会話を聞く順番があべこべになったり、全部の会話を聞けないまま次に進んだりしてしまい(しかも取り逃しに気づいてもエリアを戻れない)、ちぐはぐな内容に「???」となりました。せっかく素晴らしい(らしい)ストーリーなのにまるで感動できなかったショックよ…。

 このゲーム、ストーリーが理解できなかったらただの「キツネのウォーキングシミュレーター」だと思うんです。けれどゲームの紹介文には、

このゲームは「キツネシミュレーター」ではなく、ワンマンチームによる、忘れられないエンディングありの感動的で奥深く紡がれたストーリーを楽しむことができます。

 と書いてあるわけですよ(笑)。つまり、製作者側はストーリーを楽しんでほしいと思っていて、ストーリーを理解してもらうことがゲームの第一目的だと多分理解していたはずなんです。それなのに、プレイヤーに広いエリアを探索させるというゲーム要素を入れてしまったおかげで、肝心のストーリーが理解しづらいものになってしまったと感じます。

 正直、やりようはいくらでもあったと思うんですよ。必ず通る場所に順番に配置するとか、場所ではなく掘り起こした順で会話を聞けるとか、全部聞くまでエリアから出られなくするとか、前のを掘り起こさないと次のが聞けないようにするとか、1つ掘り起こしたらその場所から目視できる範囲に2つ目を置くとか、光の玉のようにエピソードの解放カウント数を表示させるとか……最低でも、光の柱をもっと大きくしてどこからでも見えるようにするのは必要だったと思います。それなら取り逃しにも多分気づけますし。解説モードをONにするとそれくらいのヒントが出るのかな?

 もしかしたら、1回目は自由に探索してもらって、2回目で解説モードをONにしてじっくり作品を理解してほしいと思ったのかもしれません。でも、1回やってみて不満に感じてしまったものを、もう1回やりたいと思うかというと微妙で…(笑)。しかも、この導線のなさで「自由に探索」なんてできないと思うんですよ。咲村もキツネを操作しているあいだ中、ずっと取り逃しがないか、向かう場所はこれであっているのか、気になって仕方がありませんでした。極端な話、和むどころかストレスまで感じていたかもしれません。

さきむら
目標を提示されないことが、こんなに苦痛なことだったなんて…
 しかも面白いことに、製作者はプレイヤーに発見させる方法があることをちゃんと理解していたんですよ(笑)。どういうことかというと、後半唐突にその手のギミックが登場するのです。
光の柱

遠くからでも見える光の柱!

光の柱

向かうと、思わせぶりな岩が

 天まで続く光の柱が見えたとき、「これぞ求めていたもの……!」と喜んで向かっていったのですが(笑)、そこにあったのは小さな岩と、その上で上下に浮遊する小さな光の玉(また光…)。「0/3」と表示されているところから、3つ集めないといけないことがわかります。
さきむら
ちなみにこの光の柱、取得しても消えなくてすごく紛らわしかったです…
 エリアごとに景色は全然違うものの、エリア内ではずっと同じような景色が続くうえ、方角表示もないので、同じ柱に何回も向かってしまいました(笑)。こういう配慮のなさから考えても、プレイヤーがどう動くかをあんまり考えずにつくられたのかなと思ってしまいますね…。

 で、この小さな光の玉を3つ集めるとどうなるかというと、

通せんぼ

木の枝で通れなくなっていた場所が

通せんぼ

通れるようになりました

さきむら
なんでこれを全部のエリアでやらなかったの!?(笑)
 全部の会話を聞きおわるまで通せんぼしてくれていれば、少なくとも会話を聞き逃すことはなかったのに……その方法を知っていたのに、どうして終盤になってよくわからない状況でこれを出してきたのか、まさに意味がわかりませんでした(笑)。この仕掛け、会話イベントとはなんの関係もないんです。ただこういう仕組みがあるだけで。いや、近くに掘り起こしポイントがあった場所もあるにはあったけども…ねぇ…。

 でもいちばん不思議なのは、私がレビューを見た限りではこの不満点について書いている人がほとんどいないことです。みんなはちゃんと順番にすべての会話を見ることができて、内容を完璧に理解できたということなのでしょうか? 宇宙人には難易度が高かっただけ!?(笑)

ストーリーを理解できれば感動できるはず!(多分)

 ――というわけで、飛び飛びで会話を見てしまった咲村には全体的にぼんやりとしか理解できず、タイトルにもなっている「はじまりの樹」(ゲーム内では「原初の樹」と訳されていました)の話がどこから繋がっていたのかもよくわからない有様でしたが(笑)、ちゃんと順を追って会話をすべて見られれば、多くの人がそうであったように感動できる作品なのではないかと思います。多分。

 実は咲村が内容を理解できなかったのにはもうひとつ理由がありまして……本当に個人的な感覚なのですが、昔から翻訳文が苦手なのです。文章が持ってまわった感じだったり、妙に大げさな表現だったりして、わかりにくい場合が多いなとずっと思っていました。ですが、他のインディーゲームでは翻訳がうまいおかげかスッと理解できていたのです。

 ところがこのゲームの場合、カップルの両方がどちらもポエマーがごとく遠回しな表現を連発したり、エピソードを語る際によけいな情報をやたら盛り込んで話の本質をわかりづらくしてきます(笑)。ジョセフに悩みがあるのはわかったし、それが父親に関することなのも理解できたのですが、なにをそんなに悩んでいるのか悩みの本質はよくわからず……でもレイチェルはその悩みを完璧に理解して彼を慰めるわけですけど、その慰めの言葉も遠回しでよくわからないので本当に困りました…。

 あとは、会話の内容が明らかな続きから始まっている場合もあり、冒頭で突然「その台詞が最後だったの?」とか言われても、どの台詞のことかよくわからないし、このゲームはログを見ることもできないので会話の内容をすべて覚えておく必要があり、全体的に不親切な仕様だったのが本当に残念です。ある意味ストーリーを理解してもらわないことには存在意義がない内容なのに(だって本人たちがキツネのシミュじゃないと言っているんですもの)、ストーリーを理解してもらう努力を怠っているような気が……。

 と、こんなにいろいろ書いておきながらもおすすめしているのは、雰囲気は最高にいいしグラも音楽も素敵だから。いっそ最初から解説モードをONにしてプレイすれば、ちゃんとこの作品を楽しめるのかもしません。解説はどうせ英語だからわからないだろうし(笑)。ほんと、会話部分だけは確実に順番どおり聞けるようにして、やりこみ要素だけで探索させればゲームとしてもいいものになったのではないかと思います。

さきむら
感動できた人は咲村に感想を伝えてください!(笑)
 では最後に、お気に入りのシーンを貼って終わりたいと思います。今回は文字が多めで失礼しました!
 さて、次回はまた別のゲームを紹介したいと思います。お楽しみに!

さきむら
それではまた来週に~

(C)2018 David Wehle, LLC

The First Tree

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