フェイクニュースの残酷さを実感できるアドベンチャーゲームです。
どうもこんにちは! たまに紹介できないようなゲームも踏んでしまう咲村です(笑)。今回は「螢幕判官 Behind The Screen」を紹介します。絵柄からもう超個性的!というわけで期待してプレイしましたが、期待以上に面白いゲームでした。咲村はSwitch版をプレイしましたが、このゲームも様々な媒体で遊ぶことができます。
とある人物の人生を、幼少期から振り返る
……あれ? この見出しだけ見ると、まるで「おじいちゃんの記憶を巡る旅」みたいですね(笑)。※もちろん内容はまったく違います。
では早速タイトル画面から……の前に、ちょっとした映像があったのでそれを紹介。
ゲームを始めると、再び先ほどのアナウンサーが登場。ニュースの続きを読みあげます。このニュースはひとつのエピソードが終わるたびに挿入され、事件がどのように報道されていったのかをわかりやすく教えてくれます。
この「父親」が殺された人物なのですが、彼は主人公を幼少期から幼稚園に通わせていた――と紹介されたあとに、その幼稚園の頃の彼の様子が描かれる、といった感じです。

で、初っぱなから文字の表示方法に不満を持ったところで、最初のシーンです。
幼稚園での昼寝中、暑さでうまく眠れない主人公・裕明は、お母さんが置いていった手紙を読んでみます。「しばらく家には帰れない」と書いてありますが、裕明にはその理由がわかりません。そこで親友の強強に尋ねます。すると――
よくある話ではあるけれど、この歳で遭遇するのはきついですよね……。しかも先のニュースでは、父親は裕明を幼稚園に入れてちゃんと世話をしていた、とは言っても、幼稚園の先生と不倫していた話までしませんでした。あたりまえですが(笑)。幼稚園に通わせていたのはいいとして、それが自分の不倫のためだったとしたらどうでしょう? 話が全然違ってきますよね。
このゲームは、ストーリー的にはそういった部分を楽しむもので、ここまでの説明を見て面白そうと思った人なら最後まで楽しめると思います。が、個人的にはそのストーリー部分よりも、ゲーム全体のデザインがとても面白いなと感じました。

それでは次はその「やりたい放題」な部分を見ていきましょう。
あの手この手でプレイヤーを楽しませてくれる
このゲームのジャンル、説明がちょっと難しいのですが、誤解を恐れずに言えば「ストーリーのあるミニゲーム集」なのかもしれません。ただしゲームの内容を自分で選択はできず、ストーリーに沿っていろんなゲームが登場する感じです。序盤の例を見てみますと――
この布団を移動させるパズルは何度か出てきますが、毎回ちょっと工夫があるのもいいところですね。たんに繰り返し同じことをやらせるのでは、やっぱり物足りないですから。他にもとにかくいろんなミニゲーム的なものが登場しますが、反射神経が必要なもの、目押しができないとちょっときついものなどがあります。
死にゲーというほどではないですが、1回目は勝手がわからずゲームオーバーになることも多いかもしれません。しかしこのゲーム、すぐにリトライさせてくれるので何回も挑戦したくなるんですよね。鈍くさい咲村も、繰り返しやったらクリアできるのでは!?と希望が持てるくらいのちょうどいい難易度でした(笑)。

細かな配慮が行き届いた名作! だけど…
このゲーム、もうひとつぜひ褒めておきたいポイントがありまして(笑)。人によっては「アドベンチャーゲームならそんなのあたりまえだろ」と思うかもしれませんが、案外その部分をゲーム性の一部と考えて隠しているケースもあるので、このゲームの親切さはありがたいなと感じました。なにかというと、調べられるオブジェクトをはっきり表示してくれているところです。
とまあ全体的によくできた、コンパクトにまとまった良ゲーなのですが――


ともあれ、ストーリーは間違いなく胸くそ系であるものの(ここはオブラートに包みません・笑)、ミニゲームや演出が楽しいので、ぜひいろんな人にプレイしてほしいと感じるゲームでした。昨今、ニュースがネット頼みになって、嘘か本当かわからないようなネタもたくさんあふれている時代ですから、このゲームに内包された皮肉が多くの人に刺さるんじゃないでしょうか。

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